【ドル88円後半、1カ月半ぶり安値圏で上値重い】
午後3時現在のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅安の88円後半。海外市場でつけた1カ月半ぶり安値の88.63円から小幅に切り返した水準で上値の重い展開が続いた。日中の取引レンジは23銭と、引き続き鈍い値動きだった。
東京市場のドルは、狭いレンジ内で上値の重い展開。連休前の仲値公示に向けてドル不足期待が強まったことなどを背景に、序盤は海外市場でつけた安値から反発し、一時89円台を回復したが、上値では輸出企業などの売りが活発化。短期筋の戻り売りも根強く、すぐに88円後半へと反落した。アジア株の下げを背景にクロス円の上値が重くなったことも、円の底堅さを支援したという。
市場では、ドル/円の上値の重さが目立ってきたことで「下値余地が見込める」(外銀)として、上値で戻り売りが出やすくなっている。テクニカル的にも、移動平均線を上値抵抗線として「下落圧力が継続中。10月安値88.01円への下振れが意識される」(都銀)という。
午前の取引では、日本航空(JAL)<9205.T>が燃油や為替、金利のデリバティブ契約で約1020億円の清算義務が発生する可能性があると国土交通相の直轄組織「JAL再生タスクフォース」(作業部会)が指摘していたことが話題となった。JALの保有するデリバティブは機体や燃料の手当てに絡んで作られている可能性が高く、清算となれば円を買い戻すオペレーションが活発化する可能性があるとみられているという。
ただ、「ヘッジ解消時の損益によってはドル買い/円売りが強まる可能性もある」(別の都銀)ため、どういったデリバティブをどの程度の規模で保有しているかなど不透明な部分が多いため、直接的な手掛かりには現在のところなりづらいとの声もあった。
<相次ぐ新興国の投機資金対策、最近の円高の一因か>
新興各国が相次ぎ投機資金の流入対策に動き始めたことが、最近のドル安一服や円上昇の一因になっているとの声が出ている。これまで市場では、世界的な低金利政策の継続見通しと株価の上昇で投資家がリスク選好姿勢を強め、低金利のドルと円を売って他の高金利通貨を買う取引が活発化してきたが、相対的に高金利である新興国への資金流入が細れば、マネーの出元だったドルや円に買い戻しが入りやすくなるとみられている。
新興国では、投機資金流入による資産バブルや自国通貨高への懸念から、台湾とブラジル、ペルーが資本規制を導入。インドネシアが導入を検討しているほか、中国と香港、タイ、インドなどの通貨当局者も投機資金の問題に言及している。
<新日銀審議委員候補は「ややタカ派」か、今後の円高手掛かりの可能性との声>
政府が前日に新しい日銀審議委員候補として提示した宮尾龍蔵・神戸大経済経営研究所所長・教授について、外為市場ではスタンスが「ややタカ派」(別の外銀)とみられており、将来的な円高手掛かりの一因になりそうだとみる声が出ている。現在の円相場に直接的な影響が出ているわけではなく、実際に就任が決まった後の詳細な発言を確認したいとの声が多いが、過去の発言では現執行部に近いスタンスとされ、「国債買い入れの拡大にも反対の立場。円ポジティブとみられる」(さらに別の外銀)という。
宮尾氏は、国会の同意が得られれば、神戸大学経済経営研究所所長を辞職する来年3月下旬に任命される予定。
【Nikoniko FX】